朝日広尾マンション

緩やかに山を下りる。
次第に雪は雨に変わる。
靄の向こうから、おすすめリノベマンションから十和田湖がゆっくりと浮かび上がってくる。

十和田湖は真冬だった。
雪こそ降ってはいないが、恐ろしく寒い。
オジサンたちは震えながら、乙女の像を目指す。

乙女の像は高村光太郎の作品。
「彫刻は空間を見る。二体の隙間に面白味がある」という理由で、同じ像を向かい合わせたらしいが、その時はそんなことは露とも知らない。
「もっと細い方が良いなあ・・・」
「この頃の女性は健康的やなあ・・・」
と、オジサンたちは些か太目の女性像に言いたい放題。

かの佐藤春夫は「十和田湖の自然を雄大で静かで、内面的な風景と見て、そうした自然の味わい方を表現したもの」と解釈していたらしい。
これが非凡と平凡の違いだろう。

因みに、乙女の像の顔は智恵子がモデルであるという。
東京には、空がない・・・。
オジサンには、知性がない・・・。
嗚呼。

芯まで冷えた躯を温めるべく、ボクたちは今宵の宿泊地である弘前に向かった。
この日からさくらまつりが始まる弘前。
ホテルもほぼ満杯。
名にし負う弘前城の桜である。
せめてひと目だけでも・・・。

諦めてはいても、ここでも奇蹟を願ってしまうオジサンたち。
案外、純情。